さっぽろアートステージ2010 参加作品
「 ダニーと紺碧の海 」DANNY AND THE DEEP BLUE SEA
ニューヨーク州ブロンクス。繊細ゆえに野獣のような激しさで周囲と理解し合えないダニーと、過去の罪を背負って心を閉ざしたロバータ。バーで知り合ったな孤独な二人が、心の澱を吐き出し、激しくもぎこちなくぶつかり合いながら、結婚の約束をするまでの不器用な愛の物語。
「月の輝く夜に」でアカデミー脚本賞、「ダウト - 疑いをめぐる寓話」でピューリッツァー賞を受賞した、ジョン・パトッリク・シャンリィの傑作戯曲に、千年王國の若手二人が挑みます。
脚本:ジョン・パトッリク・シャンリィ
翻訳:鈴木小百合
演出:橋口幸絵
出演:赤沼政文、坂本祐以
作品ノート
「世界の頂点にいる人と一緒に仕事がしてみたいな」と単純に思ったりするのです。その高い高い技術力、強力なカリスマ性、人間への細やかで深い洞察力、人々を惹きつけてやまないユーモア。野球チームがそんなヒーローを招聘するには数億円の費用がかかりますが、演劇界では白水社から出ている戯曲一冊をお招きすればあっさりと叶ってしまうものです。そんな訳でジョン・パトリック・シャンリィ氏としばらくのお付き合いをさせていただく運びとなりました。「月の輝く夜に」というハリウッド映画でシャンリィ氏の脚本にはじめて出会ったのは高校生の頃です。どこまでも不器用な人間たちへの愛情に満ちたあたたかな眼差しと、こっくりとしたワインのように酔わせてくれる薔薇色な愛の物語。20年後「ダニーと紺碧の海」という類まれな美しい邦題のタイトルだけを知り、探しあてた戯曲にも、不器用な人々を見つめるやさしい眼差しが溢れていました。
「ダニーと紺碧の海」は、傷ついた男女が夜に出会い翌朝を迎えるまでの短い時間のお話です。人生の暗闇からあたらしい光を迎えるまでの道程を、暴力に至る激しさでぶつかり合いながら、無骨に、繊細に、たった二人で切り開いてゆく姿は「人と人の間に起る全て」を描く演劇が、まさに待ち続けた物語でした。
真摯ゆえに不器用、不器用故に痛々しくて可笑しな二人演じるにあたり、これはもう20代の無鉄砲さとたぎる生命力にお願いしちゃおうと、今回は赤沼君と祐以ちゃんにダニーとロバータを担っていただきました。若手二人がそれこそ死に物狂いで格闘する姿が、この作品にあたらしい輝きを与えててゆく様を、一足お先に稽古場でこっそり楽しんでいる昨今です。
演出:橋口幸絵
翻訳:鈴木小百合氏からのコメント
「この作品は20年近く前に翻訳し、東京・渋谷の「ジャン・ジャン」という小劇場で初演されましたが、この戯曲は当時より現在の日本の状況に適しているように思います。人と人との触れ合いやコミュニケーションが希薄になり、孤独で、すさんだ心を癒す術を持たない若者が増えてきた今こそダニーとロバータの本音のぶつけ合いやひと時の触れ合いが胸に響くことと思います。
2010/12/02(木) ~12/05(日)
■公演日時:12月2日(木)20時
12月3日(金)19時
12月4日(土)14時/19時
12月5日(日)16時30分
※開場は開演の30分前、受付開始は45分前となります。
■料金:前売り1,500円 当日2,000円
※全席自由。
※高校生以下は無料招待いたします(要予約)。
入場時に学生証を提示をお願いいたします。
※未就学児童の入場はご遠慮いただいております。
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■会場:ターミナルプラザことにパトス
(札幌市西区琴似1条4丁目 地下鉄東西線琴似駅地下2階)
TEL:011-612-8383
■チケット取り扱い
ローソンチケット【Lコード:14077】
ターミナルプラザことにパトス
生活支援型文化施設コンカリーニョ
■問い合わせ:090-6213-6181(劇団千年王國)
E-mail : mail@sen-nen.org
STAFF
【照明デザイン】:秋野良太
【舞台監督】:佐々木裕也
【衣装】:松下奈未
【宣伝美術】:Liact+
■主催:千年王國
■共済:札幌劇場連絡会/さっぽろアートステージ実行委員会
■後援:札幌市/札幌市教育委員会
■企画/制作:劇団千年王國
■制作協力:CORORE
■協力:生活支援型文化施設コンカリーニョ
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